小説「世紀末の苦悩」
1990年から2001年までの日本とアメリカが舞台。一人の人間が苦悩から学び解放されていく様を描く。


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東京在住、30代独身男性。



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第22章 ソープオペラ
まずは第1章から第21章までお読み下さい。


 夕食を食べ、下宿に帰ってリビングでテレビを見る。人気のテレビドラマを放映していた。大学で学生たちが話題にしていたものだ。このアメリカでは、「ソープオペラ」と呼ばれる連続ドラマシリーズ。登場人物は、都会に住む若者たちで、彼らの恋愛物語を回を追いながら描く。日本ではトレンディ・ドラマなんて呼ばれている類のものだ。
 先週、たまたま観て、その続きが気になって観ている。先週、物語の登場人物の一人、サマンサという若い女性が結婚が決まり、結婚式に親友エレンを招待することにした。だが、エレンが婚約者のビリーを二人っきりになったところで酒を飲ませ誘惑。エレンは、サマンサにビリーに誘惑されたと主張する。ビリーは事実と違うと弁解。サマンサは、どっちを信じていいのか分からない。そんな局面で、次週に続くとなった。
 さて、今回は、ビリーがエレンについて思わぬことを知る。エレンの元恋人と名乗る女性が現れたのだ。その女性によると、エレンは、親友のサマンサが結婚すると聞いて自分から離れたのだと。
 ビリーはエレンに、自分を誘惑して結婚を破談させようとしたのは、サマンサを自分に引き寄せるためだったのかと問いつめる。エレンは無視、だんまりする。
 その後、サマンサが仕事で乗ったヘリコプターで墜落事故に遭い、行方不明に。ビリーは、現地に行き、必死で捜索の結果を待つ。サマンサが発見され入院。お互いの愛に変わりがないことを確認する。
 ビリーはエレンに会い、どういうことだったのか正直にサマンサに話せとアドバイスする。その方が、すっきりするだろうと。
 さて、何が起こるか、秀生はわくわくして画面に釘付けとなった。親友がレズビアンで自分に想いをかねてから寄せていたことを知り、サマンサはどう反応するか。
 病室に入ったサマンサは、嬉しそうにエレンに話しかける。
「よかったは、こうして一緒に会えて。私は大丈夫よ、この通り。心配かけて御免なさい」
「私こそ悪かったわ。ビリーとのことだけど、ビリーは何も悪くなかったの。私が仕掛けたことだったの」
とエレン、申し訳なさそうに言う。そして続ける。
「あなたに、どうしてそんなことをしたのか話しておこうと思ってきたの」
 サマンサは、いぶかしげにエレンを見つめる。エレンは、さらに続け。
「私がビリーを誘惑したのは、ビリーからあなたを奪いたいと思ったからなの」
「え、どういうこと?」
とサマンサ、驚きの表情。お、いよいよ来るかという局面。
「私は、ずっと前からあなたのことが好きだった。だから、ビリーと結婚すると聞いて、とってもショックだった。だから、ビリーと別れさせて、そのうえで私があなたに告白してお互いの愛が確認できれば、きっと二人だけの甘い生活が送れるんじゃないかと夢を捨てきれずにいて」
「あなた、レズビアンだったの?」
とサマンサ。エレンとサマンサの表情のアップが映し出される。
「なぜ、そのことをもっと早く言ってくれなかったの。そのことで二人の関係にひびが入ると思っていて」
とサマンサの思わぬ反応。エレンはさえぎるように、
「今、あなたにはビリーがいると分かったから、私は私で別のいい人を探すことにしたから、もう今となってはどうでもいい」と涙を流しながら話すと。
「エレン、私もあなたのことは好きよ。でも、あなたが感じているようにはいかないだけ」
とサマンサ。涙を流すエレンに優しく話しかける。
「でも、分かって。あなたは私の人生において、とっても重要な人。けっしてそれは変わることはないわ。そのことだけは分かって」
 ベッドの上で起きあがっているサマンサにエレンが抱きつく。二人は、こんなことがあっても友情は変わらないという結末に。
 秀生は、呆気に取られた。こういう物語もあっていいのか。

第23章へ続く。
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テーマ:BL小説 - ジャンル:小説・文学

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