小説「世紀末の苦悩」
1990年から2001年までの日本とアメリカが舞台。一人の人間が苦悩から学び解放されていく様を描く。


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東京在住、30代独身男性。



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第29章 初体験
まずは第1章から第28章までお読み下さい。

「何を飲みたいかい?」とジョージは訊く。
「ワインを」と秀生は言った。お酒の中ではワインが好きだし、この部屋のムードにも合っている。
「OK。極上のロマネ・コンティがある」
とジョージ。ロマネ・コンティか。聞いたことがある。ワインの中でも最上クラスで、ボトル一本が100万円近くするとか。そんな高いワインを飲めるのか。
 グラスに「ロマネ・コンティ」とラベルの貼ったボトルからワインを注ぐ。ワインを差し出す。ふわっと甘い香りがする。秀生は、ぐっと飲んだ。
 何と豊潤な味なのだろう。そして、ジョージを見つめ急に興奮してきた。ジョージの目は輝いていた。吸い込まれるような目つきだ。秀生はグラスをカウンターに置いた。
 すると、ジョージが即座に秀生にキスをした。秀生は、そのキスに激しく応えた。今まで体験したことのないような興奮が秀生の全身を襲った。これが男同士のキスか。男のぐっとする匂いと味が刺激的だ。こんな刺激味わったことがない。
 ジョージは、秀生をさっと抱き締めた。男のオーデコロンの香りが鼻をつく。だが、それも刺激的だ。下半身が熱くなっていることに気付いた。相手もそうだ。秀生のペニスは勃起している。はち切れんばかりに。
 ジョージは、さっそく秀生のジャケットを脱がした。そして、ベルトに手をつけた。ベルトが外れズボンを脱がす。秀生は、それに応じるようにシャツを脱ぎ、最後にはパンツを脱いだ。ジョージも、さっさと服を脱ぎ、二人の男たちは互いに全裸になった。
「ワオ、君のはでかいな。私のよりも大きいよ」
とジョージが、目を輝かせて言った。秀生はジョージのを見た。勃起しているが、秀生ほど大きくない。体は秀生より大柄だが、こちらのサイズはそれほどでもない。
「どうだ、まずはバスルームに行こう。お互いに体を洗い合おうじゃないか」
とジョージが言った。秀生はにっこりとして「もちろん」と応えた。
 バスルームは、広々としていた。ジョージはバスタブに浴剤を入れながら湯を足していった。泡風呂が出来上がった。ふんわりと泡が浴槽に広がり、気持ちよさそうだ。
「さあ、カモン」とジョージが先に入って言う。
 秀生も入る。浴槽は二人の男が入れるほどゆったりとして大きい。
 秀生は、ジョージに背中から抱かれるように湯に浸かった。ジョージは秀生の胸と股の間に手を置いた。そして、自分の頬を秀生のに当てた。ジョージの股の間は、秀生の尻の真下にある。ジョージの体温と湯のぬくもりを同時に感じますます興奮する。
「かたいね」とジョージ。
 ジョージのもかたくなっていることを秀生は感じた。
「どうして僕を?」
と秀生は、ふと疑問に思いきいた。
「あのストリートを革ジャケットを着て歩いていたら相手を探しているとすぐに分かる。そして、君は、まさに私のタイプだった。とってもキュートなアジアン・ボーイだ」
 なるほど、アジア人好みなのか。そして、キュートだと。彼らには、自分はそう見えるのだろう。
 男は泡で、秀生の体中を触り、秀生はマッサージを受けるような気分になった。秀生も男の体を泡で触りまくり洗った。広く筋肉質な胸板には、うっすらと毛が生えている。体を向き合いながらキスをして抱きつく。そんな格好で二人でシャワーを浴びた。
 シャワーを浴びた後、タオルを持って互いに濡れた体を拭き合った。頭から足まで、もちろん股の間もしっかりと。拭き終わり互いに石鹸の香りがする中、ベッドルームへ行った。
 広い、まさにキングサイズのベッドになだれ込んだ。そして、セックスが始まった。キス、抱擁、互いに体中を舐めまくる。すぐにジョージは秀生のペニスを口に入れた。特に激しく舐めまくる。ペニスの竿だけでなく、袋も舐める。秀生も、ジョージのに口を入れてみる。何てことをしているんだと自分に言い聞かせながら、相手を喜ばせたいと思い口の中で竿を上下して舐めた。とても気持ちいい。特にテクニックはいらない。すでに術を心掛けているようだ。
 すると、ジョージは「なあ、君の尻にファックしていいか」と言った。
 秀生は、どきっとした。ああ、そんなことをするのか。男女の場合とは違う穴を使うのか。
「コンドームを使うからさ」
とにこにこして言うので、仕方ないと思い、秀生は仰向けに寝そべり尻の穴が見えるように股を広げながら足を胴体に向け開いた。
 ジョージは、ベッドのサイドキャビネットの引き出しから、箱に入ったコンドームを取り出した。そして、それを自分のにコンドームをつける。そして、竿を秀生の穴に入れようとする。秀生は興奮しながらも、やや恐怖を感じた。痛い! うわあ、これはまるで女の子の処女体験のようだ。だが、痛いうえ、先に進まなかった。ジョージは、それでもぐいっと突っ込む。
「うああ、やめてくれ」
と秀生は思わず叫んだ。ジョージは、穴から竿を引き抜いた。
「いやあ、きつい穴だな。まあ、仕方ない、体験は初めてのようだな」
 秀生は、ほっとした。
「どうだ、それなら、俺のに入れてくれないか。トップとボトムを逆転するんだ」
とジョージ。秀生は試してみたいと思った。秀生はコンドームをつける。そして、ジョージの穴へ。するりと穴に竿は入った。彼は、ボトムの体験済みだ。
「よし、気持ちよくなってきたぞ。これでピストン運動してくれ」
 秀生はピストン運動を始めたが、すると秀生の竿は縮んできた。何とも変な感覚だ。女性の穴に入れたときとは違う。
「いや、これはノーサンキュ」と秀生は竿を穴から出した。
 ジョージは微笑み、「ファックは好みでないか。まあ、いいやそれなりに楽しもう」と二人はコンドームを外し、再び手で互いのペニスを愛撫して、また興奮状態に入った。

 次第に興奮が頂点に達した。まずはジョージ、秀生は見つめながら、寝そべっている彼の袋をもんでいると、ジョージは勃起してロケットのように突き上がったペニスを手で上下させる。
 彼は「オー、ヤー、オー、ヤー」と呻き声をあげる。秀生は興奮しながら、その姿を見た。すると、彼のペニスの先端から白い精液を飛び出た。
「うああ、気持ちよかった。吐き出したぞ。次は君の番だ」
 秀生は、ベッドの上に寝そべった。ジョージが、目を輝かせながら見つめる。そして、秀生の竿をつかむ。はち切れんばかりにかたくなり突き上がった彼の竿を上下させる。秀生は両手を広げ、ジョージのまるで獲物を捕らえたような目つきに、ますますの興奮を覚えながら、ついに絶頂状態に達した。
 白い液が噴き上がった。「うわあ、うわあ」と吐き出すように大声で叫んだ。

 しばらくして、興奮状態から一息した二人は、並んで天井を見つめまったりと寝そべってお喋りを始めた。さっきまでは、それどころではなかったが、行為が終わって落ち着いた状態になった。

「実に良かったよ。君は、とてもきれいな体をしている。男としたのは初めてかい?」
というジョージの問いかけに
「イエス」
と秀生は答えた。
「君はいいもの持っているよ。太くて長くていい形をしている」
と言いながら、ジョージは疲れ切っている秀生の竿をつかんだ。
「そうかな」
と不思議と褒められたのが嬉しかった。
「私のは小さいんだよ。君と違って割礼をしたせいかな」
とジョージが言うので、秀生は彼のを改めてよく見てみると、その通り、日本で見るペニスとは違う。ペニスの頭の下の皮が、小さくなっているのにピンと張ったままだ。日本男児なら、秀生と同様に、ペニスの頭の真下の皮は縮れたゴムのようになっているはずだ。つまり、皮には余裕があり引っ張れば、頭をすっぽり覆える。
 そうか、アメリカには割礼の習慣がある。赤ちゃんの時に、衛生面を考え親にされるのだ。日本では、そんな習慣はない。
「日本では、ゲイであることはオープンにできないのか」
「ええ、保守的な国だから」
「はは、ここだって、サンフランシスコやリベラルな都市部を除いて、ゲイであることを大らかに受けてくれるところなんてほとんどないよ。私は、十年前にカムアウトしたんだ。最も仕事柄しやすかった。普段はLAで、テレビ番組のプロデューサーをしているんだ。その前に、離婚したけどな」
ゲイであることが原因で」
「ああ、薄々気付かれてな。まあ、自分をごまかすのも嫌になったし、丁度いい時期だと思ってな。だが、世の中には俺のような男はごまんといる。ハリウッドにも、たくさんいるさ」
「ハリウッドに?」
「ああ、例えば、数年前、エイズで死んだロック・ハドソンなんて有名だろう。あいつは、俺たちのコミュニティでは、ずっと前からゲイだということが知れ渡っていたんだ。知られてないけど、例えば・・・」
とジョージは、有名な俳優の名前を挙げた。日本でも知られているハリウッド映画の俳優の名前もあがったので驚きを隠せなかった。
「ま、みんな作られたイメージを売り物にして仕事をしているんだ。芸能界というのは、そんなところさ」
 なるほど、と思った。
 
 しばらくして、再び意気高揚としてくると、もう一ラウンドをした。その後、さすがに疲れ、二人は眠りに入った。
 朝の日差しが窓から入り、二人は同時に目を覚ました。
 秀生は言った。
「帰らないと」
「おお、そうか。別れるのは寂しいな。また会えるかな」
「いや、無理だよ。これから空港に行かないと。日本に帰る飛行機に乗るんだ」
と秀生は嘘をついた。
「そうか、私はお昼までここにいるけど。ならば、シャワーを浴びたらどうだい」
とジョージが言うので、寝そべったままのジョージを尻目に秀生はバスルームに行った。
 シャワーを浴び、適当に体を洗った後、ベッドに寝そべって秀生の全裸姿をじっと見つめるジョージに近付いた。
「ビューティフル・ボディ」
とジョージが、小声で言う。
「アイ・ミス・ユー」と秀生。
 秀生は服を着て部屋を出ていくことにした。
 すると、ジョージはベッドから出て全裸姿で
「ちょっと待ってくれ。これからタクシーに乗るんだろう。金を渡すよ」
と言い、昨夜に脱いで床に放りだしたズボンを取り上げ、ポケットから財布を取りだした。
「いや、大丈夫だよ。すでに十分あるから」
と秀生が言うと
「いや、持っていけよ。お礼の意味も込めて。無理矢理付き合わせちゃったし」
とジョージが百ドル札を差し出す。
「いや、受け取れないよ」
と秀生は断ったが、ジョージは是が非でも受け取って貰おうとする。秀生に何かを与えて、自分の気持ちを示さないと気が済まない感じだ。
 ならばと思い、秀生は受け取り
「サンキュ」と言った。
 そして、玄関ドアから出ようとすると、
「待ってくれ。最後に別れのキスを」
とジョージが言うので、秀生はジョージに抱き付き、思いっきり感謝を込めてディープキスをした。
 ジョージは、とても満足感に溢れた表情をした。

 秀生は、ホテルを出た。今は朝の六時だ。彼との関係は英語でいうワン・ナイト・スタンドだ。これからケーブルカーとバスに乗って帰ろう。百ドル札はどうしようか、このまま受け取って使ったら、何だか売春婦になったようだ。持っておくのが忍びない。しばらく、朝の静かな通りを歩いていると、髭を生やした年老いたホームレスの男性に出くわした。歩道の端に座り、目の前に缶詰の蓋を取った空の缶を置いている。
 そうだ、と秀生は思い、そのホームレスの老人に近付き、ほいっと、缶の中に百ドル札を入れた。老人は目を大きくして、缶の中を見つめた。
 秀生は、さっと手を振り「グッドラック」と老人に言って、その場を去った。

 実に気持ちのいい朝だ。

第30章へつづく。
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テーマ:BL小説 - ジャンル:小説・文学

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