小説「世紀末の苦悩」
1990年から2001年までの日本とアメリカが舞台。一人の人間が苦悩から学び解放されていく様を描く。


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東京在住、30代独身男性。



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第9章 美女
まずは第1章から第8章まで読んでください。

 その翌日、秀生は、その美女を目の前にしていた。佐々木が言うように、男なら誰でも発狂するような美人であった。名前は、玲奈といい、佐々木の数多く付き合っている女性達の中で、本命の付き合いをしている女性だという。女優かモデルにでもなってもいい、目の覚めるような美人だ。目が大きく、艶のある肌、そして、セクシーなボディライン。胸は、それなりの膨らみがあり、少しばかり谷間をのぞかせている。ミニスカートから下の脚線美は芸術品といっても良かった。佐々木が本命にするのも無理がないと思った。そんな女性を、どうして秀生に付き合わせようというのか。佐々木は、秀生にとって確実な成果を出せる相手を提供したいからだと言った。
 そして、秀生は、玲奈を提供された。彼女は、横浜の私立女子大に通う女子大生だ。二人は開業したばかりのランドマークタワー展望階にいた。待ち合わせは、タワーの正面玄関で、すぐに話題の日本一高い超高層ビルからの眺望を堪能しようと言うことになった。そこからの景色を眺めていた。秀生は、恐ろしいまでに緊張していた。景色の壮大さよりも、こんな美人と一緒にいられることの方がよほど凄いことだと思った。
「すごい景色ね。横浜が一望できるわ。あら、あそこが赤煉瓦倉庫ね。それから、山下公園、そうだ、あの向こうに夜景のとてもきれいなホテルがあるわ。淳と一緒にいつも行くところよ。今夜、あなたは私と一緒にそこに行くのよ」
と玲奈は、淡々と喋った。女性らしい柔らかい口振りだった。
「本当にいいのかい、僕と」
「淳の頼みだもの。何でもきくわ。だから、遠慮しないで。今日だけ私をあなたの彼女だと思って。私もあなたを彼氏だと思う。淳の弟だと考えて見るようにするわ。あなた、まんざら、かっこわるくないし、付き合ってみる価値あると思うわ」
と玲奈の言葉が、秀生に喜びと緊張を同時に与えた。一生涯において、こんな美人と時間を共にできることなど、今後ないだろう。ましてや、いくところまでいけるのだ。男冥利に尽きるというもの。
 その後、二人は、ランドマークタワーを出て、近くにあった海の見える喫茶店に入った。二人で顔を突き合わせながら紅茶を飲む。
「佐々木先輩とはどうやって知り合ったの?」
「あー、合コンでよ」
「はー、でも、合コンなら、先輩の相手をしたい女性はたくさんいただろうから、大変だったろうに」
「彼の方から声をかけてくれたの。彼以外にも誘いをかける男はいたんだけど、もちろん、淳にかなう男はいなかったわ」
「先輩とはテニスをしたことあるの?」
「私はテニスはしないわ」
「そんな、先輩はプロ級ですよ。是非とも教えて貰ったら」
「ねえ、さっきから淳のことばかりきくのね」
 玲奈が、怪しい目つきで秀生を見つめる。とても気まずい感じがした。確かに変だ。これから、彼女のことに興味を持たなければならないというのに。
「外に出よう」
 秀生と玲奈は、手をつなぎながら山下公園を歩いた。彼女の手の温度は意外に冷たかった。冷え性なのかなと思った。こうしてカップルで手をつないで歩いていると、立派な恋人同士に見える。周囲からの視線も感じる。玲奈を見ているのか、それとも、お似合いのカップルとして二人とも眺められているのか気になった。
「ねえ、秀生さん。あなたは童貞ではないのよね」
 どきっとする質問であった。秀生は即答えた。
「いいえ、違いますよ。過去に何度かあります」
 それは嘘であるが、本当のことのように言った。そういうことにしているのだから、そうしようと思った。
「そう、じゃあ、特に手ほどきする必要はないわね。びっくりするでしょうけど。淳の童貞を喪失させたのはこの私よ」
「え?」
 秀生は、まさにびっくりした。
「先輩は、大の女たらしだと。これまでにも経験豊富で・・」
「それは私と出会ってから後、彼が一年生の時、私たち出会って、私はすでに処女じゃなかったし、彼は、女を知っているようで、まだ深くは知らない感じだったし。だから、手ほどきをしてあげたの」
 玲奈は、くすくすと微笑みながら話す。
「はあ、意外だったな、じゃあ、先輩が女を知ったのは大学に入ってからなんだ」
「あなたはいつ?」
「高校の時に」
 さっと秀生は答えた。
「ふうん、淳よりも早いのね。童貞に見えたけど」
「童貞に?」
「そうよ。これでも男のそんなところを見抜く力はあるのよ」
 秀生は、少し冷や汗が出た。どうしよう、嘘がばれたかなと思うと、びくりとした。話題を変えようと、
「そうだ、この辺に面白い博物館がある。行こう」

 博物館とは「横浜開港資料館」のことであった。横浜が幕末に開港されてから現代までの歴史に関する資料を展示したところだ。はっきりいえば、デートには不向きな場所といえよう。秀生は、彼女の様子をうかがった。退屈しているのかなと思った。だが、興味深げに展示物を眺めている。
「私、ここに初めて来たけど、面白いところなのね。これでも専攻は歴史なのよ」
と言いながら、じろじろと見つめている。ガラスに入った江戸時代の書物、当時の横浜港の地図など。
 秀生もつられて、展示物を眺めた。そんなに大きな施設ではなかったのだが、気が付くと一時間以上もの時間が過ぎていた。

「腹が減った」と秀生は声を出し、二人でレストランに行くことにした。
 ステーキを食べながら、二人は顔を見つめ合わせる。
「この近くのホテルを予約しているわ。しっかり食べて、力をつけて。そうだ。ワインを頼みましょう」
 赤ワインのボトルが、ウェイターにより運ばれた。ワインが二つのグラスに注がれる。
「今夜の私たちに乾杯」
 秀生と玲奈は、グラスを互いに付き合わせた。

 ホテルに入った時は、酔いが体に浸透して、少しふらふらになっていた。秀生は、酒に弱い方ではないが、さすがに三杯も飲むとなると体に効いてくる。彼女は、同じく三杯飲んだようだが、平然としている。
 部屋のドアを開け中に入った。真っ暗だが、すぐに電灯が点いた。ここはラブホテルだが、品のいい作りをしている。高級感に溢れ一流ホテルのスイートルームを思わせる。窓からの夜景が言われた通り綺麗である。
「シャワーを浴びてくるわ。あなたもどう、一緒に?」
「ああ、是非とも」
 秀生は、酔いのせいか恥ずかしさをかなぐり捨て、どんどん服を脱いで素っ裸になった。玲奈も素っ裸になった。彼女の体を見る。思った通りの裸体だった。
 彼女がシャワールームに入っていく。秀生は、ついていこうとしたが、
「ああ、ここで待っているよ。二人が入るには狭すぎる。君が終わった後に、僕がシャワーを浴びるよ」
と遠慮がちに言った。
 玲奈がシャワーを浴び終え、タオルで素っ裸な体を拭いている。
 秀生は、すぐにシャワールームに行き、体を洗った。酔っていて、ふらふらしながら、上から下までとりあえず洗った。
 体をタオルで拭きながら出た。玲奈が、ベッドの上で待っていた。シーツの上に脚を広げ、誘い込んでいる。秀生は、ベッドの上に乗り上がった。
 玲奈が、秀生にキスをする。そして、抱きつく。玲奈の乳房が秀生の胸にびっちりとくっつく。秀生は、さらに強く抱きしめた。
「ああ・・」と玲奈の声。
 二人は互いを見つめ合う。秀生は、玲奈の豊かな乳房を見つめた。そっと両方を両手でつかんだ。
「ああ・・」とまた、彼女が声をあげる。快感を感じている仕草だ。
「そうだ、コンドームをしていなかったね」
と秀生は言いながら、コンドームがどこかにないか探した。すぐに見つけた。
「ねえ、あなた立っていないね」
と玲奈が言った。秀生は、自分のペニスを見たが、普段と変わらない大きさだ。どうしてだと思った。なぜだか? 興奮をしているはずなのに。
「もしかして、インポテツなの?」
「そんな、そんなことないよ。そうだ、何なら君が立たしてくれよ」
と秀生は、玲奈に突っかかるように言った。何だか、急に居心地の悪さを感じた。玲奈は、秀生のどきっとしている様子を見て。
「ごめんなさい。気にしないで、淳も、最初は立たなくておうじょしたのよ。最近、あなたもご無沙汰だったようだから、おチチンチンに元気が出ないのよね。これから立たしてあげる」
 玲奈は、秀生のペニスをつかんだ。棒を上下にさする。
「こういうことを先輩にしたのですか?」
「そうよ。淳はこうすると立ったわ」
 秀生は、佐々木が同じことをされている姿を思い起こしていた。すると、ペニスが固くなっていき、気持ちのいい感覚が全身に伝わってきた。
「さあ、入れて」
と玲奈の声。
 秀生は、玲奈の股の間にペニスを差し込んだ。ぐいっと入れ込む。見事に二人は合体した。次は、腰の前後運動だ。玲奈が、「あー、あー」と呻き声を上げる。秀生は思った。佐々木は、彼女の体をこのようにして揺り動かしているのか。
「さあ、もっと」と玲奈が言いながら、秀生の唇に彼女の唇を当てようとする。
 秀生は、急に眠気が襲った。さっきまでの酔いが眠気に変わった感覚だった。眠気に落ちながら、秀生はつぶやいた。
「先輩、先輩、あー」

 翌朝、秀生は、ぱっと目を覚ました。ベッドの上に自分一人だけだった。玲奈は部屋にはいない。自分一人を残してどこかに行ってしまったようだ。秀生は、昨晩のことはよく覚えいていなかった。酔いが回ったせいなのだろう。二人で裸になったところまでは、覚えいたが、その後のことは何も覚えていない。
 酔いが回ってとんでもないことをしてしまったのではと思った。彼女を怒らせてしまったのでは。

 玲奈は、その日、佐々木のところに行き、前日の秀生とのデートからホテルでの一夜のことを詳しく話して聞かせた。そして、佐々木が秀生に対してずっと気にかけていたこと、それこそ、玲奈に探りをいれて貰いたかったことの答えを聞きだした。

 秀生は、大学のゼミ講習が終わった後、佐々木のいるテニス部の部室に行った。昨晩のことは、よくは覚えていないが、必ず聞かれるだろう。きっとうまくいったに違いない。そう答えようと決めた。なぜなら秀生は、そう確信していた。
 部室に入った。
「こんにちは、先輩。昨晩はどうも。玲奈さんってとてもいい人で・・」
 秀生は、佐々木の表情がやけに固く、目つきが自分をひどく睨んでいる感じを受け言葉を止めた。
「箱崎、悪いが、ダブルスのコンビ解消してくれ。それから、この部もやめてくれ、俺が目的で入ったのなら気持ち悪い」
 目つき同様冷たい口調だ。
「先輩、何を言っているんです?」
「気安く話しかけるな。おまえ、なんて奴なんだ。やっぱりホモのゲス野郎だな。とっとと出ていけ。今後、俺には近寄るな」

第10章へつづく。
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テーマ:えろす小説 - ジャンル:小説・文学

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